2011年2月9日水曜日

米FRB、徐々に資産売却する見通し=米地区連銀総裁

 [ヘレナ(米モンタナ州) 8日 ロイター] 米ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は8日、連邦準備理事会(FRB)は2020年までにバランスシートを正常化するために「小規模でない」量の資産売却を迫られる可能性が高いとの見通しを示した。
 ただ、金利を急上昇させるリスクがあるとして緩やかなペースで実施する必要があると指摘した。
 また、米経済の回復は進んでいるものの、住宅市場の回復には長い時間がかかるほか、雇用情勢の見通しは良くないと語った。
 同総裁の講演原稿は6日にミネソタ州の商工会議所で行った講演とほぼ同じ内容だった。
 総裁は、モンタナ州ヘレナにあるミネアポリス地区連銀オフィスでの地元財界人との昼食会で、「経済は改善しつつあり、国内総生産(GDP)と失業率の両方の面で今後2年間、回復が続く見通しだが、われわれが望むよりも緩やかなペースになるだろう」と語った。
 住宅着工件数は数年間、低水準にとどまる可能性があるものの、必ずしも回復を妨げるとは限らないとし、住宅市場の見通しよりも雇用市場の見通しがより重要と指摘。講演後、聴衆に対し「現在および今後の雇用の数字の改善が、消費者信頼感を支えると考える」と語った。
 同総裁はまた、FRB当局者はバランスシートを縮小し、保有債券を米国債に限る金融危機以前の政策に回帰すべきとの認識で一致していると述べた。
 その上で、毎月150億ドルから250億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)を5年間かけて売却すれば、FRBは金利を不安定化せずに住宅ローン市場から撤退することが可能と指摘した。
 「2010年代の終わりまでにバランスシートを正常化することに楽観的だ」と語った。
 総裁は、今後2年間の米経済成長率について、その他多くのエコノミストの見方よりも悲観的な3.0%になるとの見通しをあらためて示した。
 インフレに関しては「比較的落ち着いている」とし、FRBと議会が適切に協力して取り組めば、見通しは明るいと指摘した。
 講演後、財政赤字による金融政策への影響について聞かれ「インフレは金融政策当局者と財政政策当局者の共同作業の産物だ」と語った。支出削減や増税により赤字を削減するのは議会の権限だと述べた。
 また、原油価格が景気回復ペースに影響を及ぼすことは懸念していないと語った。

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引用元:リネージュ3(Lineage3) 総合情報サイト

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